初めての妊娠で、これが何が起こるか不安……何か前向きになれる本はないかな? と探している妊婦さん。
あるいは、ご家族や親しいお友達がはじめての出産を迎えるので、何か勇気づけられる本をプレゼントしたい!
そんなふうに悩んでいる方のために、この記事を書きました。
こんにちは!
助産師をしています、当ブログの管理人ミノリ(@kisa_minori)と申します。
これまで150人以上の赤ちゃんが生まれるのを直接お手伝いさせてもらいました!
(帝王切開の方や、生まれるときに側にいた方を入れると、もっともっとたくさん!)
ちょっと変わった経歴なのですが、わたしは助産師になる前、本が大好きな文学部の学生だったんです。
学生時代は書店でアルバイトもしていました!
そんな読書好きな助産師であるわたしが、
- 普段あまり本は読まないから、サクッと楽しみたい! という方
- 写真から想像力を広げるのが好きな方
- じっくり小説を読むのが好きな方
- まずは基礎知識をつけたい方
- パパと一緒に読みたい方
など、その方に合わせた、妊婦さんにピッタリの本をご紹介していきます。
ここで紹介した本を読めばきっと、不安な気持ちが少し軽くなって、お産が楽しみな気持ちになれますよ♪
ぜひ参考にしてみてください!
助産師が妊婦さんが妊婦さんにおすすめの本を選んだ理由は?
今の時代、妊娠や出産に関する情報は、ネットにたくさんあふれていますよね。
それなのに、助産師のわたしは、なぜ本を紹介するのでしょう?
(そんなのいいから早くおすすめ本を! という方は飛ばして次に進んでください♪)
その理由をまとめてみると、こんな感じです。
- 校閲を受けているため、明らかに間違った情報が書かれていないから
- 表現をすることのプロが書かれているため、分かりやすく伝わりやすいから
わたしは、一般の方が書かれた妊娠や出産について書かれたブログを読んだりすることも大好きです。
ですが、あくまで個人の方の体験であるため、
それは医学的な根拠がないな……
一般的な流れではないな……
読んでいるひとが誤解するのではないかな? と心配してしまうこともあるんです。
その点、出版されている本は、明らかに間違った内容が書かれていることはないと言っていいと思います(ないと言いたいです)。
それから、これは小説を読む方なら感じられることではないかと思うのですが、
それわたしも思ってた!!!
でもうまく言葉にできなかった!!!
言われてみたらそう!! そうなの!!!
となるのが醍醐味ですよね(興奮しすぎてすみません)。
多くの妊婦さんが経験していても、うまく言葉にしたり表現できていなかったものが、きっと読めると思います(川上未映子さんのエッセイは特におすすめ)。
さて、前置きはこのくらいにして、どんどんおすすめ本を紹介していきますね。
妊婦さんにおすすめ本:はるな檸檬『れもん、うむもん!-そして、ママになるー』
本を読んだりするのは苦手! かわいい絵でサクッと楽しめるものがいい!という方におすすめなのがこの本。
かわいらしい絵柄と思いきや、中身は妊娠~出産~産後のつらい部分からも目をそむけずしっかりと書かれています。
わたしが特に印象に残っているのは、産後に飛行機に乗って手伝いに来てくれた実のお母さんと、退院して数日でケンカしてしまうところです。
「悪気はないのはわかってる。
なのに、どうして味方でいてくれないの!」と、実の親だからこそ許せないこともきっとありますよね。
ウェブ連載中に毎回更新を楽しみにしていました。
オールカラーじゃないのが少し残念ですが、そのぶん軽くて持ち運びもしやすくてかわいい本になっています。
わたしは実際に初めて妊娠した友人にプレゼントして、
「めっちゃ共感したー!!」と言ってもらえました。
妊婦さんにおすすめ本:川上未映子『きみは赤ちゃん』
わたしはこの本を3回買いました(笑)
1冊目は、助産師仲間に「これいいよ!」と回したらそのまま行方不明に。
2冊目は、はじめての妊娠の友人に
3冊目は、また自分のために。
小説家の方が書かれた妊娠~出産~産後の本ってあまりないのではないでしょうか?
(マンガはたびたび見かけますが)
文章をなりわいにしている川上未映子さんだから書けるエッセイだと思います。
旦那さん(純文学作家の阿部和重さん)との関係に、はらはらしながらも、
「よーゆうてくれた!(あ、わたし関西育ちなのです)」
となること間違いなしです。
妊娠中のセックスのことや、産後も執筆活動をしながらの育児のこと。
特にフリーランスの仕事をされている方には響くのではないかと思います。
お子さんのことを「おに」と呼んでいる(「おにぎり」から来ているらしい)姿に(見えないけど)、毎回じーんと来てしまいます。
川上未映子と聞いて「あのとんがった感じの小説家? と思わずに(思っていたわたし)、ぜひ一度ページをめくってほしい1冊です。
妊婦さんにおすすめ本:角田光代『予定日はジミー・ペイジ』
妊娠したけど、別にうれしくないし、どういう気持ちになったらいいのかわからない
なんて、ツイッターなんかでつぶやいたら、一斉に非難されてしまいそうですよね。
共感してほしいパートナーは、無責任に浮かれていて、この気持ちをどうしたらいいんだろう……
でも、みんながみんな、子どもがどうしてもほしくて授かっているわけじゃない。
なかなか口には出せない気持ちを、この主人公が代弁してくれます。
タイトルは、出産予定日の有名人を調べたら、イギリスのロックギタリストのジミー・ペイジと同じだったというところから。
『対岸の彼女』、『八日目の蝉』、『紙の月』などの作家、角田光代さんの小説です。
どんなふうに主人公が変わっていくのか、あなたも一緒に見守ってみませんか?
同じ角田光代さんの小説で、主人公が出産のために向かう車のなかで子どもの名前を思う一編が入った短編集もおすすめです。
妊婦さんにおすすめ本:大野明子、宮崎雅子『いのちを産むーお産の現場から未来を探る』
わたしが、助産師という職業に興味をもって調べていたときに出会った本です。
この本を読んで「助産師になる!」と決意しました。
出産、というとたくさんの人から怖い(ありがたい?)話を聞くことがきっとありますよね。
赤ちゃんが生まれてくるのがすごく楽しみなはずなのに、ちゃんと産めるかな、育てられるかな、という心配も同時にわきあがってくることでしょう。
でも一度この本のページをめくってみてください。
たくさんの出産のシーンの写真がおさめられています。
モノクロなので、生々しさはないので安心してください。
出産ってこんなに神秘的なんだ、お母さんってこんなに美しいんだ、赤ちゃんってなんて尊いんだろう……
文章は読まなくっても構わないとわたしは思います。
それくらい、写真がすてき。
(写真は宮崎雅子さんによるものです)
筆者の大野明子さんは、医師でありながら、医療行為を最小限に、産婦さんと向き合われている方です。
なぜそうした考えに至ったのか、日本の医療の問題についても書かれています。
『分娩台よ、さようなら』
こちらの本も聞いたことがある方がいらっしゃるかもしれませんね。
より詳しく知りたい! と言う方はこちらも合わせておすすめです。
妊婦さんにおすすめ本:宋美玄『新装版 産婦人科ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK(専門家ママ・パパの本)』
妊娠したら、アレもだめ、コレもだめって、何を信じたらいいの!!となってはいませんか?
特にネットには情報があふれすぎていて、調べればしらべるほど、混乱してストレスになってしまいますよね。
そんなときは、医師が書いた、根拠に基づいていてわかりやすい本を一冊手元においておくと安心です。
筆者の宋美玄(ソン・ミヒョン)さんは、ご自身も高齢出産を経験されている、産婦人科のお医者さんです。
カフェインはダメっていうけど、本当にちょっぴりもだめ?
とよく聞かれる心配にも、「2~3杯なら問題なし!」と言い切ってくれていて、安心できます。
同じシリーズで小児科のお医者さんが書いた、赤ちゃんのことに関する本もあるので合わせておすすめです。
プレパパにもおすすめ本:ヨシタケシンスケ『ヨチヨチ父 とまどう日々』
旦那さんだってパパになるのに、なんだかフワフワしてて、ちゃんと考えてくれてるのかな?
なんて思っているあなたにはこの本をおすすめします。
ご本人もパパであるヨシタケシンスケさんが、はじめての育児に格闘するパパの様子をユーモラスに描いています。
かわいらしい絵に、にっこりしてしまいます。
パパになるとどんな感じになるのかな? というのを、先輩パパ目線から教えてくれます。
ただ、男性は、実際に赤ちゃんが生まれてこないと、実感を得られにくいと言われています。
ヨシタケさんも、実際に赤ちゃんが生まれたときのことを振り返って作品にすることができるようになったのは、お子さんが少し大きくなってからのことだそう。
この本をご主人と読みながら、赤ちゃんの誕生を楽しみに待てるといいですね!
この本も友人(の旦那さん)にプレゼントしたことがありますよ!
まとめ
最後にもう一度、おすすめの本をまとめてみますね。
- はるな檸檬『れもん、うむもん!-そして、ママになる』
- 川上未映子『きみは赤ちゃん』
- 角田光代『予定日はジミー・ペイジ』
- 大野明子『いのちを産むーお産の現場から未来を探る』
- 宋美玄『新装版 産婦人科ママの妊娠・出産パーフェクトBOOK(専門家ママ・パパの本)」
- ヨシタケシンスケ『ヨチヨチ父 とまどう日々』
できるだけいろいろなバリエーションの本を選んでみました。
妊娠中もお仕事で大変な方も、産休に入って少し余裕が出てきたときにでも手に取ってもらえるといいなと思います。
この本も面白かったよ! というのがあったらぜひ教えてくださいね♪